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岐阜発!温泉博物館第7話 熱水(温泉)がつくる鉱床

 地下のマグマから分離した数100℃の熱水には、ナトリウム、カリウム、バリウム、ストロンチウム、塩素、フッ素、タングステン、金、銀、銅、鉄、鉛、亜鉛、スズ、ニッケルといった様々な元素が含まれています。
この熱水(温泉水)は、地下の岩石中のひび割れや断層などの通り道を伝って上の方へ移動します。その途中で温度が低下するために、過飽和状態となって、通り道のひび割れの間などに石英をはじめ自然金、自然銀、自然銅など様々な鉱物を析出させます。

熱水によってできた自然金(アメリカ産)
下呂発温泉博物館蔵

 一部の熱水は海底から噴出するため、熱水が海水によって冷やされると、熱水中に含まれる硫黄、亜鉛、鉛、鉄、銅などが過飽和状態となり、閃亜鉛鉱、方鉛鉱、黄鉄鉱、黄銅鉱などの硫化鉱物が沈殿します。このようなマグマ起源の熱水からの沈殿物による鉱床を熱水鉱床と言います。
海底の熱水活動などにより、熱水の中から海水中にマンガンや鉄などが溶け込むことがあります。やがてそれらは海水中に含まれる酸素によって酸化され、酸化物となって海底に沈殿し、球状(ジャガイモのような形)のマンガンノジュール(団塊)を形成することがあります。サメの歯や岩石片を核にしてマンガンや鉄の酸化物がそのまわりを取り巻き、同心円状の構造を成しています。
マンガンや鉄を主成分とし、その他にもニッケル、コバルト、銅などの有用な資源を含んでいて、世界中の海底に大量に存在することが明らかになっているため、重要な海底資源として注目されています。

太平洋海底で採取されたマンガンノジュール

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